長時間労働によるメンタル疾患や健康被害が、メディアを賑わせていますが、それらの原因の一つにサービス残業の実態があります。事業場の管理監督者は、そこに働く労働者の労働時間を適正に把握する義務がありますが、それを怠っていたり、暗に残業をするよう仕向けていると、労働者は止むなくサービス残業を行ってしまうこともあります。こういった場合の残業代請求については、実際に残業をした日から2年の間であれば請求が可能です。したがって、自分の残業代が適正に給与に反映されていなかったり、サービス残業に追い込まれている実態があるならば、2年以内に申告することが必要です。
ちなみに、その会社を退職した後であっても2年以内であれば、残業代請求は可能です。さて、残業代請求の第一段階は、社員本人が、直接、会社に申し出ることですが、その対応が十分に行われない場合には、弁護士に交渉を依頼することが得策です。労働問題に強い弁護士事務所の大半が、無料相談を行なっていますので、現在の状況やサービス残業を行うに至った経緯などを整理しておくと、スムーズに相談できます。弁護士の説明を聞いて納得ができたら、正式に依頼することになりますが、通常だと会社に再度弁護士から交渉を行い、双方が納得できなければ、労働審判や訴訟という手順を踏むことになります。
もちろん、残業代請求を行ったからといって、社内において不利益な処遇を受けることはありません。